「水瀬さん、あなた蟲毒(こどく)ってご存知ですか?簡単に説明するとですね、密閉できるツボにたくさんの種類の虫を詰め込んで、殺し合わせて共食いさせて最強の一匹を作り出すって呪法なんですよ。」
オカルティックナイン第6話で、森塚駿が紅ノ亞里亞に蟲毒(こどく)を知っているか質問していましたね。
「蟲毒(こどく)で最後に生き残った虫を依り代にすると、術の効果が絶大になるそうですよ?ツボに閉じ込められた虫と殺し合い、その死骸を食べ、糞尿をすすり最後まで生に執着した汚物を生贄にすることで、呪いの効果が倍以上になるとか」
と、なかなかグロテスクなこともサラリと言っていましたね。
ざっくりした呪いの概要は森塚駿の説明でわかりましたが、気になったのでもう少し詳しく掘り下げてみようと思います。
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蟲毒(こどく)とは?
© Project OC9/Chiyo st.inc.
動物を使った呪術の一種という事らしい。
蟲道(こどう)、蟲術(こじゅつ)、巫蟲(ふこ)などとも呼ばれていて、蟲を使った呪術なら中身は問わず「蟲毒(こどく)」というみたいです。
要するに、蟲毒(こどく)という呪術のジャンルがあるよ、という事らしい。
「隋書」の記載が元ネタだと思われる。
オカルティックナインの蠱毒の話題の元ネタは、恐らく「隋書」に記載されていたとされる蠱毒の記載です。
隋書というのは、中国の隋時代の出来事を扱った歴史書の事です。
五月五日に百種類の虫を集めて、大きなものはヘビ、小さなものはシラミを含め、無差別に一つの器の中に放り込み、共食いをさせる。
そして、最後に残った一種類の蟲を容器の中に残しておく。
ちなみに、生き残ったのがヘビだったら蛇蠱、シラミだったら虱蠱というように、生き残った蟲の種類が呪いの名前になるようです。
とりあえず、その生き残った一種類の蟲を使って、人を呪い殺す、という事らしい。
五月五日というのは5月5日じゃなくて、多分5か月と5日以内ってことなんじゃないかと思うけど、どうなんだろう。
「医学網目」にも記載があるらしい。
「医学網目第25巻」という古い書物の記述にも蠱毒の記述があるようです。
中国で古い時代に書かれた書物らしい。
ヘビ、ムカデ、ゲジ、カエルなどの大量の種類の虫を同じ容器で飼育し、互いに共食いさせる。
その中で勝ち残った虫が「神霊」となる。(神の魂や神の奇跡が宿る事)
「神霊」となった蟲を祀り、その蟲の毒を採取して飲食物に混ぜて使う。
その飲食物を人に害を与えるために使ったり、幸運を得るために使ったり、富を得るために使ったりするものらしい。
しかし、人間がこの毒に当たった場合は、症状は様々だが「一定期間のうちに大抵死ぬ」という事だそうです。
飲食物を食べさせろとは書いていないようなので、蟲の毒を混入させること自体が呪いを成立させるには重要なのかもしれません。
蠱(こ)とは何か?
蠱(こ)とは、「まじないに使う蟲」「人を害する呪いや毒薬」のことだそうです。
呪われた蟲だけではなく、毒薬のことも指すみたいですね。
ちなみに、蠱毒は呪術のことだけではなく、毒を盛って人に危害を加えることそのものを指す場合も使われるそうです。
蠱毒(こどく)の歴史
蠱毒(こどく)は古代中国において、広く用いられていた呪術だったらしい。
明確な起源はわかっていないものの、殷・周時代の甲骨文字から蠱毒(こどく)の痕跡が見つかっているようです。
また、中国の法令には、蠱毒を使って人を殺したり、殺そうとした場合は死刑に処すというものがあったらしい。
ようするに、それだけ古代の中国は呪いブームだったってことですよね。
そりゃそうだよね、人を使わずに他国を侵略したり、自国を脅威から防衛できるんならラクでいいもんね。
呪いの力なら手軽に天下とれちゃいますもんね、そりゃ試しにやってみたくもなるわな。
嫌いな奴はとりあえず片っ端からデスノートに全部名前を書いちゃおうぜ、みたいな勢いですよね。
ちなみに、日本でも蠱毒は恐ろしい呪いだと古来から恐れられており、757年頃には蠱毒を取り締まる法律が存在してたらしいです。
蠱毒(こどく)はダメ!絶対!
とりあえず、森塚駿が紅ノ亞里亞に説明していた内容以上のことは、それほど多くは出回っていないというのが現状なようです。
掘り下げようとしたけど、あんまり細かいことは出てこなかったなあ。
百種類の虫を集めてくるという、ポケモンマスターでも難しい条件を満たさなくてはならないので、この時点で呪いの成立はほぼ無理なんじゃないかとも思うわけですが、非常に呪力の高い儀式だそうなので、良い子は絶対にまねしないようにしましょう。
悪い子もやっちゃいかんと思いますけどね。