リナシータ編4幕の解説と考察
リナシータの鳴式「レビヤタン」の目的
・レビヤタンは融合と同化の権能を持つ鳴式である。
・鳴式の目的は人類文明の崩壊である。
・レビヤタンはリナシータの人々の歳主への強い信仰心を利用し、文明を侵食しようとしていた。
・インペラトルに融合し、同化することで意識を乗っ取り、歳主に成りすましてリナシータの人々の信仰を集めて自身の傀儡を増やしていた。
・黒潮でリナシータに存在するすべてのものを飲み込んで自身の傀儡とすることで、新たな文明が生まれる余地を潰すことが目的だったと推測される。
「聖女はすでに死んでいる」の真実
・隠海教団から選ばれた聖女であるフルールドリスの正体は鳴式の共鳴者であり、歳主の共鳴者ではなかった。
・歳主から託されたティルフォングを引き抜くことのできる聖女を探し出すため、フルールドリスが現れる以前から過酷な聖女の選別儀式を行ってきたフィサリアファミリーからすれば、フルールドリスは「偽物の聖女」である。
・「2回目の黒潮で聖女は殉教している」という隠海教団の言い伝えに沿うならば、フルールドリスの後任の聖女は現れていないため「死んでいる」と言える。
・記憶の断片から得られた情報で歳主の真実を知るカンタレラは聖女が既に存在しない事実を把握しており「聖女はすでに死んでいる」と言った。
カンタレラは本物の聖女になっていた。
・カンタレラはティルフォングとの二次共鳴を果たし、歳主の共鳴者(=聖女)となっていたが、歳主が失った力を取り戻すため、獲得したばかりの二次共鳴の力を歳主へ還元したことで聖女としての力を失っている。
・力を還元した時の記憶はオーバークロックの作用で失っており、カンタレラ自身は聖女になった事実を覚えておらず、記憶の断片や事前に残したメモから把握している。
なぜ漂泊者にティルフォングを引き抜くことができたのか。
・今州での角とのやり取りや、2章4幕終盤のインペラトルとのやり取りからの推測となるが、恐らく漂泊者は今州・リナシータのみならず各国の歳主たちの御者(主人)である。
・インペラトルの御者であり、歳主の管理権限を持っている漂泊者には、インペラトルの力の一部であるティルフォングが扱える。
アヴィノレーム神学校跡の逆塔のソノラについて
・アヴィノレーム神学校の跡地に逆塔のソノラを構築したのはインペラトルである。
・聖女の戴冠式の日に発生した2回目の黒潮の被害を抑えるために、インペラトルが神学校を空へ隔離し、逆塔のソノラを構築している。
・発生した黒潮や残像がリナシータへ流れ出さないように空へ隔離された神学校は、インペラトルの施した重力反転の副次的作用により黒潮の性質が反転して浄化されている。
・逆塔のソノラは、黒潮・残像・鳴式を隔離してリナシータに出さないためにインペラトルとフルールドリスが施した封印である。(レビヤタンの方が力関係的に優勢なので、永久封印というよりは解決方法が見つかるまでの時間稼ぎという感じ)
フルールドリス(=カルテジア)とは。
・フルールドリスはそもそも人物名ではなく、隠海教団の聖女(歳主に選ばれた存在)に与えられる称号のことである。
・2章4幕では角の生えた方のもう一人のカルテジアのことを主には「フルールドリス」と呼んでいる。
・2回目の黒潮はフルールドリスとレビヤタンが共鳴したことによって引き起こされたものである。
・インペラトルと同化したレビヤタンが、リナシータの人々のインペラトルへの信仰を利用して自身の信仰を集る際に、より効率よく信仰を集めるために創造した「民衆に愛されるヒーローやアイドルのようなカリスマ的存在」フルールドリスであった。
・2回目の黒潮の時、フルールドリス自身は歳主と共鳴したつもりだったため、黒潮を引き起こしてしまった時の絶望は計り知れないものであった。
・カルテジアをインペラトルの分断の権能を借りて切り離した後も、一人でレビヤタンに対峙し続け、漂泊者が訪れるまでレビヤタンの浸食に耐え続け、意識を保ち続けていた。
・インペラトルの分断の権能を使い「インペラトルの周波数(緑)」「レビヤタンの周波数(青)」「フルールドリスの周波数(黄)」を3本の剣に収めて封じることで、意識がレビヤタンに支配されるまでの時間を稼ごうとした。
・レビヤタンによって鳴式の共鳴者となるべく創造された生命であり、経歴や人格、純真性や完全性はすべてレビヤタンが調整し、与えたものである。
・レビヤタンと容易に共鳴することができ、信者たちの声を聴くことも可能で、レビヤタンの信託を聞いて信者たちに発信することも可能だった。
・カルテジアが頭につけているのは戴冠式で歳主(レビヤタンだった可能性も高い)から戴いた月桂冠で、レビヤタンと共鳴した際に共鳴者を操る機能を与えられてしまっていた。(後に漂泊者によってこの機能は無効化されたものと思われる)
・ラウルスサラダが大好物である。
・カルネヴァーレで月桂冠を与えられたものに告げられる歳主の啓示はすべてカルテジアの言葉であり、歳主の言葉ではなかった。
3本の剣「ティルフォング」「フルングリエ」「オートクレア」
・ティルフォングはインペラトルから切り離した周波数で作られた剣であり、権能である「分断」の力を行使できる剣である。
・ティルフォングには「緑色の周波数」が宿っており、これはインペラトルの周波数である。
・フルングリエにはレビヤタンの力が力が宿っており、権能である「同化」と「融合」の力が封じられている。
・鳴式と歳主の両方の共鳴者となっていたフルールドリスが、分断の権能を使ってレビヤタンの周波数をフルングリエへ封印したものではないかと推測する。
・フルングリエには「青色の周波数」が宿っており、これはレビヤタンの周波数である。
・オートクレアにはフルールドリス(カルテジア)の周波数が封じられており、これには「調和」の力が込められていた。
・3つの剣は逆塔にある専用の台座にはめ込むことで、剣に封じられた権能と記憶の断片を漂泊者に引き渡す目的に使用され、逆塔の封印を解除してフルールドリスの元へ続く道を切り開くための役割も担っていた。
嘆きのドレイク・ゲヘナについて
・ドレイクは元々リナシータに生息していた原生の残像で、ゲヘナはドレイクたちの王である。
・2章3幕、海霧の発生するペニテントの吹き溜まりで戦った嘆きのドレイクがゲヘナだったりするが、割と気づいてない人が多い印象。(そこでゲヘナは死んだ)
・フルールドリスはゲヘナにリナシータの人々へ信仰の真実(歳主ではなく鳴式を信仰しているということ)を伝えるよう託したが、黒潮の影響を受けて道半ばでレビヤタンの傀儡となり果ててしまい、ペニテントの吹き溜まりで難破した巡礼船に乗っていた愚者たちの命を奪うために永遠にさまよい続ける存在になっていた。
漂泊者に同行していたカルテジアに関して
・漂泊者の逆塔攻略に同行していたカルテジアは、フルールドリス(=カルテジア)がインペラトルの分断の権能を借りて、自身の周波数を切り分けて作ったもう一人のカルテジアである。
・フルールドリスとしてレビヤタンの傀儡になるのではなく、カルテジアとして自由に生きたいと願う部分が分断によって切り離された存在である。
・推測だが、レビヤタンの与えたという「純真性」の部分を切り離した存在なのではないかと考えられる。(それによって完全性も失われている、という感じ)
・鳴式と融合したフルールドリスが仕掛けたバリアの檻に拘束された漂泊者を助け出すために力を使い果たしたカルテジアは、自身の周波数を漂泊者に託すという選択をする。周波数を受け取った漂泊者は新たな力を「気動」を発現し、レビヤタンを圧倒した。
黒潮について
・黒潮に巻き込まれたものはレビヤタンの傀儡となる。レビヤタンの目的を阻むものを排除するための生贄となり、さらなる信者を増やすために信仰を広め続けるだけの存在となる。
・カルテジアは黒潮に触れたとき、いずれは黒潮がすべてを飲み込む「パレード・パラダイス(すべて等しくレビヤタンの傀儡となり、平等で争いも起こりえない天国)」が引き起こされるという未来を視た。
・すべての存在が黒潮に飲み込まれ、等しくレビヤタンの傀儡となれば文明はそこに生まれなくなるため、滅ぼさずとも鳴式としての存在目的は果たされる。
戴冠の儀式場で漂泊者がカルテジアに頼まれたこと
・この時点で漂泊者は3つの剣から「分断」と「同化・融合」の力を得ている。(剣を台座に収めるシーンで、手の甲の音痕に3色の周波数を宿していたのがそれ)
・カルテジアはフルールドリスの肉体から意識を分断し、カルテジアと融合・同化させてからこの世から完全に消し去ってほしい(つまり殺してくれって事)、という頼みごとを漂泊者にした。
・歳主が現世にとどまるためには自身の力を分け与えて共生関係となった「歳主の共鳴者」が必要なのだが、レビヤタンも「鳴式の共鳴者」と共生関係となっている状態であり、フルールドリスによって現世に縛られている状態なのである。
・カルテジアはレビヤタンの状況を利用し、自身の意識だけを消滅させて肉体をソノラに残すことで、鳴式の共鳴者であるフルールドリスの体を檻としてインペラトルの作った逆塔のソノラの中からレビヤタンが永久に出られないようにしてやろうと考えていた。(入るのに専用の鍵が必要なソノラに閉じ込めることで、理論上は鳴式を永遠に排除できる)
・フルールドリス自身も自壊を望んでいたが、鳴式の影響を受けていてそれができる状態ではなかった。
・漂泊者はカルテジアの頼みを無視して自分の持っている同化・融合の力をフルールドリス側へ返還し、レビヤタンと同化・融合した状態のフルールドリスを打ち倒して、自壊を望んでいたフルールドリスの意識ごとレビヤタンを破壊しようと考えた。
インペラトルの計画
・インペラトルは御者であったかつての漂泊者から「鳴式の本質」を探るように指示を受けていた。
・指示を受ける条件としてルート権限(管理権限)を解除し、御者の支持がなくともインペラトルの自由意思で行動できるようにすることを求めていた。
・1度目の黒潮の時にナポリ2世に力を譲渡したことで消耗していたインペラトルは、レビヤタンの同化・融合の権能に成すすべがなく、やむを得ず受け入れるしかなかったため、この事態を逆手にとって鳴式の分析を行おうと考えた。
・しかし、分析をしてわかったことは「鳴式を完全に消滅する方法は存在せず、文明が滅びない限り、鳴式が決して消えることはない」という絶望的な事実で、鳴式自身も自信を消滅させる方法を知らなかった。
・インペラトルは同化される中でレビヤタンに自分の持つ知識を奪われたが、ソラリスには「1つの存在(鳴式・歳主)につき共鳴者は1人しか選べない」というルールが存在することは隠したうえで意図的に共鳴者に関する情報も渡している。
・ルールに反して2つの存在が1人の共鳴者と共鳴すると、3者の周波数は混乱し衰弱してしまう。インペラトルは自信と共鳴者を鳴式を閉じ込めておく檻として使い、衰弱させたまま動きを封じてしまおうと考えていた。
隠海教団 初代首座ナポリ2世
・2章2幕のステンドグラスに描かれていた絵は歳主と鳴式の対立を描いたものではなく、フィサリアと教団の対立を描いたものだった。
・レビヤタンは当初からリナシータの人々の信仰心を利用して文明の浸食を計画しており、信仰を利用して少しずつ精神の疫病を蔓延させてその準備を進めていたが、計画をインペラトルに気づかれてしまったため、やむを得ず時期を早め、不完全な状態で降臨して1回目の黒潮を発生させて文明を浸食しようとした。
・インペラトルは黒潮に対抗するためにナポリ2世に分断の権能を譲渡し、ナポリ2世は受け取った力を音骸に与えることで兵力とし、共に戦って黒潮を撃退した。
・この時、ナポリ2世はインペラトルの残り分の力でティルフォングを作った。
・権能を譲渡したことで消耗していたインペラトルは、レビヤタンに同化されて侵食され始めてしまう。この時にインペラトルとレビヤタンの戦場に足を踏み入れたナポリ2世はレビヤタンの浸食を受け、精神を蝕まれてしまった。
・インペラトルの権能をもってしてもナポリ2世の浸食の影響を排除することはできず、ナポリ2世の精神は崩壊し、レビヤタンの傀儡となってしまった。
・ナポリ2世が傀儡となった時点で、教団の信仰の対象がレビヤタンにすり替わっている。
・ナポリ2世は傀儡として本来の意思に反する行動を取らされながらも、残る意識でフィサリアの盟主と密談し、リナシータの現状を当時のフィサリア当主に伝え、巡礼の旅の果て、黒潮を抜けた先にあるのは聖域ではなく戦場であったと語った。
・神の啓示を授けていたのもこの時点ですでにレビヤタンであり、歳主への信仰の厚いフィサリアに自分の代わりに鳴式に抗って欲しいと願い、ティルフォングを託した。
・当時のフィサリアには教団を止めるほどの力はなかったため、表向きはレビヤタンを信仰するフリをして、反撃に出る機会を待ち続けていた。
フィサリアファミリーの使命
・フルールドリスが生まれるよりも以前にナポリ2世はティルフォングを生み出し、それは後にフィサリア当主へと託されている。(1度目の黒潮の後)
・レビヤタンに対抗するためにティルフォングと共鳴できる共鳴者を探すために過酷な聖女の試練を行い、多くの犠牲を出したが、「聖女はすでに死んでいる」という情報のみしか得られなかった。(実際はカンタレラが二次共鳴を果たし、歳主に力を還元するという快挙を成し遂げているが、カンタレラ自身がそれを覚えていなかった)
・フィサリアファミリーの存在はインペラトルが自身の計画が順調に進まなかった時の予備プランとして用意されたものであった。
脱出ポッドって何?
・誤訳か何かではないかと思われる。おそらく歳主の力を回復させるための場所ではないかと思われ、今州編で角が使っていた龍眠庭のようなものなのではないかと思われる。(回復の場所なので命を創造するのにも利用できそう)
結局レビヤタンは消滅したのか。
・フルールドリスの汚染された意識と共に破壊された……ような気もするし、そうでないかもしれない。悔しいけどちょっとよくわからなかったです。リナシータ編はまだ続きがありますし、フェンリコ猊下と共鳴するなどしてもう一度出てくるような気もする。
・鳴式は完全に消滅させる方法がなく、文明が滅ばない限り消えないというルールで考えると、多分消滅してないんじゃないかなあと推測します。
インペラトルはどうなったのか。
・カルテジアを蘇生させる際に自身の力を与えて消えてしまったように思うのですが、このままだと文明を管理する存在が不在という形になってしまうので、リナシータは不安定なままになってしまう気がします。もしかするとこの後の展開で力を取り戻して復活するのかもしれないし、新しい歳主が生まれるのかもしれない。